葬儀をめぐる矛盾

2021年12月28日

 少し前のニュースで「遺体ホテル」建設に対する地域住民の反対運動と反論する経営者の話題が出ていました。内容をざっくりと書くと、

「遺体ホテル」は火葬場が逼迫している首都圏では火葬迄日数がかかるためご遺体保存の機能が必要不可欠であり今やインフラとなりつつある。しかしながらその建設となると近隣住民が反対運動を起こす、これは究極の自己否定ではないのか?という内容でした。

 皆必要な場所機能であることは理解しているのに、自分の家の前には作ってほしくない、不動産の資産価値が下がるからいやだ・・・。その気持ちもわかりますし、言っていることもあながち間違っているとは言えません。葬儀業に従事している私でさえ、自分の家の前に出来るとなるとさすがに反対運動はできませんが、心底歓迎するかと言われると自信がありません。

 この話は葬儀場建設にも言えることで、私も同様の体験をし深く考えた結果、感情と理屈の交わることのない議論であり、いくら問い続けても答えの出ない矛盾であるという結論に至りました。

 しかしながらその矛盾を証明するおもしろいデータがあります。弊社でご葬儀をされたお客様にアンケートにお答えいただいているのですが、弊社の葬儀場を選んでいただいた理由として、

「家から近かったから」と半数の方が答えているのです。これは「家族葬専門業者だから」の次に多い回答です。実際にご利用されるご遺族の家は葬儀場から半径2km以内がほとんどなのです。

事前相談に来られる方もご近所から歩いてこられる方が大勢いらっしゃいます。まさに「自分の家の前に建てられるのはいやだけど、実際に利用する時はすぐ近くがいい」という矛盾行動が数字に表れています。

 この矛盾はどのような心理から生まれるものなのでしょうか?

死亡前迄は「縁起でもない」とできるだけ「死」に関連する事から遠くに避けようとするのに、実際に葬儀を行う=「死」を現実として受け入れた状態では冷静に論理的に理解できるから「近く」がいい・・・。

やはり「死」に対する恐れから来るものなのでしょうか・・・それとも「死体」という「生体」ではない物体に対する本能的忌避感なのでしょうか。

 

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