葬儀関連展示会事情

2019年7月30日

 先日、横浜で開催されました葬儀関連の展示会に行ってきましたので、ちょっとその時の様子を書いてみたいと思います。
 実は私は最新式の葬儀演出等にはあまり興味はないのですが、業務効率を上げるためのシステム関連を見たくていってきました。以前に参加したときよりも、システム関係の出展は増えていたような気がしましたね。そしてやはりクラウドで、サブスクリプション型(利用料定額支払型)の提供が多くなっていました。2000年頃からIT業界ではASPと呼ばれて(今のクラウド)、同じように毎月の安定収入につながるビジネスモデルが主流になっていきましたが、ちょっと遅れはしましたが葬儀業界でも同様の流れになってきているなぁという感じですね。でも私達のような新興勢力にはまだまだ利用料が高いですねぇ。
 その他の出展も一応見てきたのですが、傾向はあいかわらず付加価値を高めて単価を上げていくためにはどうするか?という方向性が出展サービスでも講演の内容でも主流の考え方だったように感じました。祭壇花の装飾の豪華さ、棺のデザイン性、演出のための小物類、ホールの作り方等々、どれを見てもすばらしい、きれいな物が出展されていました。しかしうちの考え方とは少し方向性が違うのであくまでも参考として見てきたのですが。もちろんその方向性は否定されるものではありません。人の死を扱っているとはいえ、継続提供するためにはビジネスとして成り立たなければなりませんから、そのためには付加価値を高めて単価を上げるという方向性は極めてまっとうな考え方ですし、ビジネスの王道でもあります。でも葬儀業界は他の業界とは少し事情が違うのでは?と私は思っています。
 まず、単価を上げた際の付加価値(あるいは費用対効果)を顧客が冷静に判断できるのだろうか?という点です。たとえば車業界であれば、デザイン、燃費、走行性、内装等々を見て、大凡いくらくらいが妥当で自分で購入できるレベルであるかの価値判断基準をほとんどの人が頭に持っていると思います。しかし葬儀の場合、どんな棺や骨壺であればいくらくらいが妥当なのか、どんなホールのつくりであれば利用料いくらくらいが妥当なのか・・・利用される方々は判断できるのでしょうか?その提供側と購入側のノウハウバランスが取れていない市場状況で他の業種と同じ理屈が成り立つのだろうか?という疑問です。
 その根本にあるのは、本当に(多くの)お客様が求めているのはそういう付加価値なのだろうか?という疑問です。休暇でリゾートホテルに宿泊する際は、非日常空間を求めていくのですから、日常とは違う付加価値を求めているでしょう。結婚式ではあれば、一生の思い出に残るサプライズのような演出も求められるでしょう。そこには購入側の付加価値を求める明確な意志があると思っています。しかし葬儀を出されるお客様が、「非日常空間の心地よさ」や「一生の思い出に残るサプライズ」を求めておられるのだろうか?ということです。
 私はノーだと思っています。だから椿の目指す方向性が展示会等の方向性とは合わないのだと思っています。うちの会社がちょっと変わっているのかもわかりませんが・・・(笑)。もちろん最低限の清潔さやデザイン性は必要ですが、それ以上のコストはかけずともその分リーズナブルなコストで、安心してゆっくりとお別れに集中できる場を提供することがお客様の求めていらっしゃることなんだと椿は考えています。