家族信託

2019年9月3日

皆さん、「家族信託」という仕組みをご存知でしょうか?
終活が社会的に広まってきたこともあり、最近耳にすることが多くなった言葉ではないでしょうか。
これは2007年に信託法が大幅に改正されたことを受けて、信託が非常に使いやすくなったことで生まれた新しい制度のようです。

終活で家族信託?
簡単に言えば、財産を持たれている方が、自身の判断力がしっかりしているうちに自分の財産の運用を、信頼のおける家族に委託できる制度です。葬儀費用の支出であるとか、賃貸不動産の運用管理であるとか。こういえば、任意後見と同じようなイメージがありますが、制度の使い方の柔軟性が大きく違うようですね。
例えば、インターネットで見た限りですが、
1.後見がスタートしてから本人が亡くなるまで毎月、数万円かかる後見人や後見監督人への報酬の支払いが必要ない
※信託を組成する際にイニシャルコストは発生するようですが。
2.親から財産を委託された子どもは、何にいくら使ったのか記録することが義務づけられるが、家庭裁判所への報告義務はない
※法定後見、任意後見でも自宅の売却や介護施設への入居の手続きはできますが、家庭裁判所や後見監督人の許可などが必要だそうです。

そして相続対策としても使えるようです。
法的に、信託財産は相続財産から切り離されるとのこと。
もし委託者が急に亡くなっても、通常の後見制度であれば裁判所の許可がなければ葬儀費用を支出することもできませんが、家族信託の場合は運用目的に決められている行為については受託者の判断で支出できるとのこと。非常に使い勝手のいい制度のようです。

一方で、制度としてまだ新しいために他のいろいろな法律との整合性などの判断が難しい部分もあるようです。
たとえば、相続遺留分を侵害するような信託契約を締結した場合に、相続法と信託法のどちらが優先されるのかなども判例がないため現状ではどうなるかわからないとのこと。

使い勝手がいい一方で、普及させるには「制度の理解の難しさ」がハードルになりそうですね。
しかしこれから高齢者が益々増えていく時代において、法定後見と任意後見だけでは解決が難しい問題が増えていくなかで普及が望まれる制度だと思います。