お墓はなくなるのか

2019年9月26日

 先日、お墓について益々考えさせられるニュースが出ていました。岡山市の市営霊園で、墓じまいがかなり増加しているとのこと。2018年度で197件、これは全体のお墓の数がわかりませんので比率として多いのか少ないのかは判断できませんが、10年前と比較すると2.4倍だそうです。10年前と言えば既に終活も話題になりはじめていた頃ですし、家族葬も増え始めた頃で、葬儀やお墓に関する葬送文化の変化も始まっていた頃だと思います。その頃に比べてですからこれはあきらかにお墓に対する考え方の変化が更に進んでいるということだと思います。そしてその変化を強く感じたのが、管理不要の合葬墓の利用は逆に増加しているとのこと。

 私も不勉強で詳しくはないのですが、今のように一般の庶民でもお墓を作るようになったのは江戸時代中期頃からのようです。それまでは地位を引き継いだ権力者が、亡くなった先代の権力者の威光を利用する目的で権威を示すためにりっぱなお墓を作ってはいたようですが、一般庶民は埋葬するだけだったのでしょう。

 江戸中期に葬送文化が変化して墓石を立てるようになったのと同じように、今度は墓石を必要としない文化に変化が進んでいるのではないでしょうか。お墓に参るのはもっとも大事なことは心の問題です。ただ物理的に目に見えるものがあった方が人間はわかりやすい(=安心)というのが本能的な感覚ですから、なんらかの証は欲しくなるのもまた真実だと思います。それが手元供養であったり合葬墓であったりということなのでしょう。

 私の個人的な考えではありますが、やはりお墓はなくなっていくのだろうと思います。故人を偲ぶ形式としては変化していくこと自体に大きな問題はないと思います。ただ少し危惧されるのは、お墓を通してその時代の出来事を忘れないように込められた想いがあるとすれば、それが物理的象徴がなくなっていった時に、しっかり想いとして引き継いでいかれるかどうか、それだけが少々気掛かりではあります。